臨床に学ぶ会 2016.6.5 @銀座区民館
今回の「臨床に学ぶ会」は実際の臨床に基づいた症例で下記2つのテーマについて検討いたしました。
テーマ ①五十肩(肩関節の拘縮)について
②大腿内側部痛み(閉鎖神経痛)
テーマ① 「五十肩」の拘縮期では腕が上がりにくくなります。
一般的にも回復まで1年弱の時間を要するといわれています。
今回は鍼灸治療だけでなく、手技療法も加えてこの「拘縮」にどのように対応するかを検討いたしました。
テーマ② 「大腿内側部の痛み」は坐骨神経痛と違い、「大腿内側」という部位がポイントです。
大腿内側に症状を呈す病気はいくつかあります。伏在神経絞扼障害、閉鎖神経痛、仙腸関節障害、鼡径ヘルニア、グロインペイン症候群、内側側副じん帯の損傷など、多くの病気が原因候補として挙げられました。
今回の症例は「閉鎖神経痛」である可能性が高いということで意見が一致いたしました。
頻度はまれな疾患です。
これまでは「閉鎖神経痛」というと、大腿内側部をメインに鍼灸治療をする方法が有名でしたが、「閉鎖神経」の絞扼部位が複数個所あることがわかりました。
大腰筋部、内・外閉鎖筋・股関節などが主な絞扼部位となります。
これは大腿内側部だけでなく、以上の絞扼部位が新たな治療ポイントとなることを意味しています。
実際にこの症例でも絞扼部位に治療してから症状改善のスピードが上がっています。
まだ一例ですが、「閉鎖神経痛」を考えるうえで、有効な治療ポイントとして随時検討していきたいと思います。